夏 窓の外へ

                                    


夏 家族の絆

 そんなに簡単じゃあないと思う。正直な感想としてね。 ん? 何? ・・・ 


 ははは、夏のことです。とつぜん何を言い出すかと、そう思われたでしょうね。そう、じつは、ちょいとばかし夏について思いをよせていたのです。でもってその延長で、絆(きずな)ってヤツにも思いを寄せることになりました。


えっ、夏から絆(きずな)へのつながりがぜんぜん理解できないって。あぁたねぇ、ぼくの文章をですよ、理解なんかしようとしたらダメです。胸の奥の方・・・ずーっと奥のほうでただ感じて下さい(笑)。


ぼくの文章はまとまりなんてありません。文章だけではありませんよ、ぼくの存在そのものがあやふやなんです。だから無理。まあそれでもね、なんとも不思議だけど、最後まで読んで、でもって一緒に載せている(一部メディア)動画のメロディなんかを聞いてると、なんだか納得しちゃう。そんなお便りをいただくことがあります・・・


自慢かな。まぁいいや。


さてと、もうすぐ暦じゃ秋です。だからほんものもすぐやってきます。感じではすぐ近所に控えているようです。その出動をね。横丁の、たとえば高木さん家の角で調整中です。きっとそうです。


もっとも昨日あたりは、もうすぐお盆だっていうのに、冷え冷え空気が感じられました。ぼくだけかな。散歩の途中、木漏れ日の雑木林で、秋の気配を感じました。カミさんに言わせるとそれは悪霊の冷気だそうです。なんだかな・・・ですね。


まぁ、でも、なんだかんだ言っても世間はもう少しで夏を卒業です。ちょいと早過ぎる気もするけど・・・でもそうなんです。


えーと突然ですが、皆さんはどのような家族構成をお持ちでしょう。ぼくには娘が二人います(犬も一匹)。下の娘はずいぶんと前に嫁ぎました。でもってこの間まで共に生活をしていた長女も・・・嫁いでしまいました。だから我が家はカミさんと二人です。とってもとっても思いやりのある娘達は、それぞれの部屋を片付けず、そのままにして嫁ぎました。ハハハハハハ・・・


ぼくはね、ともかく恥ずかしいので、みっともないので、だからけっしてカミさんには言わないのだけど、毎朝必ず彼女達の部屋を開け中に入ります。日課なのです。なんとなく感じる娘たちに・・・会いに行くのです。そんなまったくどうしようもないことを、日課にしています。


ぼくにしては、いえぼくだからこそでしょうね。この数カ月、精神の調整に手間取りました。想像以上に手間取りましたよ。


別れなんて日常茶飯事で、そんなもんはどうってことないなんて、せいいっぱいクールにツッパって生きてきたぼくですが手間取りました。きっと、だから、それはだいぶん想像以上だったのでしょう。


ぼく自身ときどき、「冬はなんとも寂しく、そしてなんとも切ない」などと、あまりふかく考えないで表現します。少しばかり反省です。たしかに冬は、秋は、いえ冬に向かう季節には寂しさのもとがいっぱいつまっています。そこいらは事実でしょう。


でも季節は廻ります。だからたとえ独りよがりの季節感を、勝手気まま、おもうままに自分のなかに作ったとしても、それは許される。そうも思います。廻る季節は寛容なのですからね。

 
娘たちの置き土産は、残念なことに、毎朝無遠慮にカミさんが開ける窓から、ちょっとずつ飛び出していきます。大空に向かってね。ちっぽけな感傷に浸るぼくを見下ろし、笑いながら自由な空に飛び出ていきます。


ぼくはすこしばかり急がなければいけません。もっと大人になることをね。娘たちの置き土産がなくなるのも。もう時間の問題だから。