夕焼け雲

だいだい色に染まった大小の雲たち、夕焼けの空に、沈みゆく夕陽に、みんなひきつけられ固まっています。まるで遠近画法の風景画みたいにね。そんな作り出された風景は、先に進むほど尖って、夕陽に向かってまっすぐ隊列を整えているようです。えーと還暦を…

ころもがえ

「君に一番にあう季節は秋だね」と、ぼくは傍らによりそうケンタクンに話しかけます。 「なんで秋なの・・・」彼はそう言いたげな目をぼくに向け、そして目をパチパチと。ぼくはあまり根拠なく、ただ感じるままにかけた言葉に反省。それこそ人間の子どもが向…

時刻表

東京都下、国立の駅前です。駅舎から続く広い車道、きれいに植樹された歩道並木、それらはぼくをなんとも不思議な世界に誘います・・・「いきなり何のことだ・・・?」ですよね。 あの、すこしの自慢にもなりませんが、ぼくにはすこしばかり妄想癖があります…

和光前

和光前 窓をあけると一面の曇り空、ぼくはほっとしてため息などをつきます。攻撃的な青空は、ただ季節の役割を果たしているだけなのに嫌われる。そんなふうに思うのはぼくだけかな・・・ 久しぶりに出かけた銀座で、和光前で、なんとなく視線を感じました。…

夏 窓の外へ

夏 家族の絆 そんなに簡単じゃあないと思う。正直な感想としてね。 ん? 何? ・・・ ははは、夏のことです。とつぜん何を言い出すかと、そう思われたでしょうね。そう、じつは、ちょいとばかし夏について思いをよせていたのです。でもってその延長で、絆(…

すばらしい明日に

すばらしい明日に やけに空が騒がしい、そんな表現がぴったりな空模様でした。雲の動きははやく、ときおり怒ったように、いやいや思い出したように、大粒の雨が落ちてくる。そんな荒れた空、同様にぼくの精神はいつも以上に騒々しく、そして荒れています。 …

精霊達に・・・

精霊達に・・・ 秋が実感できるさわやかな空気に、匂いに、その音楽に、ぼくらはもっとワクワクしなければいけない。寂しさのきっかけともいえる秋と、まるで正反対の秋がそこにあることを、意識して楽しもう。そう思い始めました。いまさらだけどね。 「秋…

遊歩道・雨

遊歩道・雨 レンガの遊歩道、雨が斜めになって落ちてきます。ケヤキの小枝が、意識せず無遠慮でもあるけど、でも仕方なしに歩道に張り出ています。通り人に、うっとうしいと、邪険な態度で振り払われるのが心配です。そんなことでぼくは少し立ち止まりました…

上得意客になりたくて

上得意客になりたくて まいったなぁ、まいどいきなりですが、なんと今月のカード引き落としが・・・もちろん我が家のことですから、世間様から比べればたいしたことはないのです。ですがね、ぼくにとっては、けっこう深刻な額なのです。なんとも問題ばかりの…

届くかもしれない午後

届くかもしれない午後 高速道路だけど平日なのにゆったりです。車が少ないからでしょう。だから遠くの景色も、空も、いつもより余裕で観察できます。観察なんて言うとたいそうだね、ただ、ぼくは、そうやって遠くを見ることがすきです。大空、特に青い空には…

正しい夢

正しい夢 もうそれほど遠い距離ではないね。アメリカのこと。唐突だけどそう思う。なにせぼくが憧れたアメリカは、とにかく、はるかかなたって言う表現がピッタンコの国だったんでね。だからよけいなことかもしれないが、いまでも気がつくとなんとなく距離を…

旋律はイ短調

旋律はイ短調叩きつける鍵盤を探しています。思いのありったけをね。何時ごろからかはわかりません。ずっと探しているのですから。 日常のなんでもない場面で、唐突に空気が割け、こころが割け、ぼくは動揺します。たとえ修復の時間に鍵盤が見つかったとして…

わかってください

わかってください いつごろだったのでしょう、ぼくの好きな演歌歌手が薬物所持で捕まりました。それ以来、ぼくは彼女の歌声を地上波メディアから聴くことがありません。でね、最近の同様の騒動で大騒ぎしているメディアを、なんともうっとうしく感じながら、…

空はミルキーブルー

空はミルキーブルー 空がどんどん高くなって、どんどんどんどんミルキーブルーになって、ぼくの気持ちを秋に染め始めました。大きく深呼吸をします。どんどん涼しくなっていくのにあったかい何かを感じます。ぼくだけでしょうかね。 ことしは少しばかり秋が…

黄鉄鉱の小世界

黄鉄鉱の小世界ぼくは小学校高学年まで、ずいぶんと興味を持って石ころを集めていました。もちろん子どものことですから特に何か目的があったというわけではありません。いま当時を思い出しふりかえれば、興味はあったけど、ただ集めてながめることで満足し…

セミ達の協奏曲

セミ達の協奏曲 悲しくても涙を流すことが出来ない。ましてや寂しさや辛さや困惑を、声を上げて説明することなど・・・キミにはとうてい無理なことだね。ぼくはキミのそんな瞬間、そんなひとコマを、ほんとうにまれだけど、キミの表情から受け取ることがある…

雨・帰り道

雨・帰り道 雨がいまにも降りそうな午後、ぼくはいつのものように散歩にでました。もちろんケンタクンもいっしょです。 この数日雨が続きましたね。なもんで散歩コースはぬかるみだらけ、ぼくはすこしばかり洒落た、つまり昔からある真っ黒な長靴ではなく、…

晴天の朝

晴天の朝晴れだ!朝から久しぶりの晴れです。屋根裏の小窓から顔をだし、歩いて37秒の雑木林をうかがうと、緑がなんとも濃く、感覚的には雑木林のすみずみまでが緑一色です。そしてそのすべての木々が、生き生きと身を寄せ合っています。 こんなとき、ぼくは…

コミュニティ

コミュニティ またまた突然ですが・・・とこんなふうに書き始めましたが、たったこれだけ、ほんの出だしなのに、ちょいと立ち止まってしまいました。 あの、こんなふうに、文章の書き始めにですよ 「たいへん突然ですが」 なんていう表現・表記は、はたして…

風にさそわれて

風にさそわれて風にさそわれ自転車にまたがりました。初夏の郊外でも走ってみるか・・・風がぼくをそんな気分にさせました。かわいそうだけどケンタクンお留守番。ぼくが一人で出かけるのを見て、不満そうに鼻を鳴らす彼を残し、心を鬼にして出かけました。 …

ジョンへ

ジョンへの伝言 役所で作成された謄本によると、わが国が独立した昭和27年、ぼくは日本人としての国籍を得たことになっています。つまりそれまでは無国籍でした。終戦後の、まだまだゴタゴタしていた社会です、あっちこっちで同じようなことがあったのでしょ…

なにもいいことがなかった・・・街

なにもいいことがなかった・・・街 すっかり夏模様ですね。みなさんは夏が好きですか。ぼくは大好きです。 さてと、いきなりだけど、この雑文を当初からお読みいただいている方々には、なんどとなく繰り返されるこのぼくの「夏好き」云々には、きっと呆れか…

老人と雪

老人と雪 少しばかり過ぎてしまいましたが「2月26日」この日は、もうすぐ3月だというのになんとも寒い1日でしたね。 昭和11年2月26日のこの日も、今年同様、帝都東京は雪でしたよ。でね、この日わが国で起こったことを知る人は・・・というより関心…

冬の一日・雨・そして晴れ

冬の一日・雨・そして晴れ 冷たい雨に少しばかり打たれていました。ときどきオッサンは馬鹿なことをします。冬の冷たい雨を感じたくて、顔を上に向けオモテに当たる雨を、舌を出してペロリ、そんな馬鹿なことを好んでします。 公園の片隅の小さな山は、ふだ…

真夜中のカーボーイ

なんとなく夏日あったかな一日でした。皆さんはどうなのかなぁ、ぼくはね、やはり暖かいと気分も気持ちも精神も少し暖かくなります。そう感じます。そういえば湘南の方ではね、昨日は夏日になったなーんて言っていましたよ。 でもねぇ、まだ2月でしょ。だか…

幸福をねがう

幸福をねがう ある調査で、日本人は歳を重ねるほど不幸感を積もらせるという、そんな結果が出ていました。ざっくりとした勘定ですが、欧米では反対に歳を重ねるほど幸福感が積もるようです。もちろん調査のベースとなる社会環境が違うのでね、調査結果をその…

すこしだけ遠く離れて

少しなら振り返ってみてもいいかな。ちょっとだけなら。 なんてね、最近はそんなふうに思うことがよくあります。いえ、ありましたと言った方がいいかな、とにかく振り返ることが多くなったことは事実です。20代・30代・40代・50代前半までは、よく言われる「…

こころの重さ

こころの重さ 暮のけっこうバタバタしている時期に、20代の青年と話す機会がありました。とても前向きな、いろんなことに頑張って生きている青年です。数日いっしょに仕事をしました。オッサンにはたいそう充実感のある数日、楽しい数日でしたよ。 でね、そ…

冬がくる前に

ここ数日、ぼくは東京をアッチコッチと徘徊しています。 ん、まてよ。「徘徊」っていうのは、ほんとうの意味は、正しいキチンとした使い方は・・・ てなことで調べてみました。まぁ、あちこちサイトを見てみましたが「どことなく歩き回ること」あたりが一番…

荒野でリバーサイド

毎日の散歩は欠かしません。それだけがぼくの日課ともいえます。それ以外は惰性・・・惰性はちょっと言いすぎかな、まぁそんな毎日がね、その惰性の毎日がそれほど嫌いにならないのはなぜかちょっと考えてみました。答えはあんがい簡単でしたよ。 秘訣はね、…