ウェブ時代をこう生きてみたい

 20世紀の終わりころまでは、情報のネットワークは一握りの専門家か、あるいは専門家ではなくとも知識のある人だけが利用していました。

 限られた人だけが恩恵を受けていた時代から、いま一般の人々が、同じように情報のネットワークを活用できる時代に変化してきたことを素直に喜んでいます。

 けれども情報技術の革新は進んでも、その利用活用の本質に、国家や社会はなかなか気づくことがありません。それほど簡単に追いつけないようです。

 話は少し飛びますが、社会がもつ閉鎖性は、国家・社会・そして地域における文化の違いを決定付けると考えています。人々の意識の中には、その経済性の側面以上に、成り立つ社会への帰属性が重要となっています。経路依存はそう簡単には切り離せないのです。

 忘れてはいけないことがあります。私たちは、現在のすばらしい進展といわれている情報化社会には、ただ単にその革新的な技術的変化だけではない、近代以降の社会や文化の構成を踏まえた、社会全体の大きな歴史的変化がそこに含まれていることを。

 社会環境の閉鎖性を解き解く鍵はネットワークの活用です。大いに活用して未知の世界へ羽ばたきましょう。小さな羽根を羽ばたかせて。