天気晴れ、ひだまり  

「起床ーッ」

 ぼくは、休みの日となるとけっこう大きな声で、しかも半分叫ぶように声を出して起きるのです。なにか文句ありますかぁ?

 イカイカン、どうも最近攻撃的です。であるので文章も攻撃的です。であるので得意先も一つ減りました。年末なのに減りました。今日は朝から仕事をしてません。仕事がないのです。ふう。

 そこでね、普段でも一生懸命使っている頭ですが、きょうはさらに働かせて考えました。ここはひとつ一攫千金を狙って、どーーんと大金を手に入れて、そんでもってアッチコッチの得意先に文句を言い放題言って、どんどん得意先を減らし、どんどんスッキリしようと・・・

 まぁ、なんですね。おじさんが考える一攫千金などは、せいぜい宝くじを当てるとか、ブラジルで大成功をおさめた叔父が、ぼくに遺産として3兆円残したとか、宇宙からの隕石が我が猫の額ほどの庭にどーんと落っこち、それが256兆円の価値があるものだったとか、飼い犬のケンタクンが突如言葉を話し始め、彼を連れて世界中を興行して歩き、その収益がなんと2年で34兆円になったとか・・・んなことあるわけがないね。せいぜいでもないね。

 とにかく、きょうは早起きなのです。そんでもって大声で起きたことを家中に宣言をしたのです。カミさんからは

 「頭もね、一緒にね、はやくおきるようにしようね」

 などとほめられましたが、喜んでもいられないのでとっとと階下に降りて家中の暖房器具をつけまわりました。ここだけの話ですが、おじさんは寒さにそれほど強くなく、暑さにも弱く、だからといって春や秋の長雨は身体に影響するようになってきました。だから一年中気を許せないのです。辛いのです。

 えとなんの話だっけ?

 そうだ思い出した。早起きしてイロイロしてご飯を食べいたら、久しぶりにお日様が出てきたのです。あわてて身じまいを正し、気をつけをして直立不動の姿勢をとり、そんでもってお天道様に一礼をしました。

 正しい大人はこうした、キチンとした、お天道様への挨拶を欠かしてはいけなにのですからね。ついでに神棚の水をかえて、ついでに飼い犬が言葉を話すようになったかチェックしようと外に出ると、やつは陽だまりで寝ぼけています。

 「えとキミねぇ、少しでもいいから日々の努力を欠かさずにね、言葉の練習などしませんか、そんでもってぼくと世界中を旅しようではありませんか。それでこそ人生と、いやもとい、犬生というものですよ」

 「・・・・」

 きょうも進歩はありません。ないけど、陽だまりのケンタクンは、とても幸せそうです。ぼくは少しのあいだですけど、陽だまりで、彼の背中をさすっていました。

宝くじコレクション2.1

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