ダイエットはこっそりと

 今日のタイトルはちょっとぼくらしくないですね。

 なぜならね、ぼくはふだんから体重のことなんかこれっぽっちも気にしないのですから。

 それでも体重以外の、たとえば肌つやだとか、目のにごりだとか、下っ腹のでっぱりだとか、おでこの広がりだとか、鼻毛の伸び具合だとか、人相などはね、これでもたまにチェックしますよ。鏡の前で。

 ここで問題なのが家人の目であります。ぼくがたまにでも鏡の前で、ぼくにとってはどうってことないことだけど、あれこれと自分の顔を見てフムフム言ってると、家人はなんだか気になるようです。

 「えとさぁ、なーんで鏡なんかみてんの・・・」

 「いえ、あの、べつに意味はないのだね。これが。ただ、んーーーーとなんて言うか、つまり正しい大人の身だしなみってとこかな。やはり」

 「やはりってさぁ、でもなーんでかなぁ」

 などと、じつになんていうか、その大人の邪推方向へ考えを進めるのでありますね。家人というものはまったく手に負えませんねぇ。

 でもってそこいらのことにはとんと不器用で、なもんだから下手に返答にしどろもどろになると、これがまた怪しいということになるらしく、これでまた家人のふだんでも凶暴な目がさらに吊り上がるのですね。

 でね、けっきょくそこいらが面倒になるので、ぼくは家人のいないときを見計らって、身体の異常部分あるなし検地をいたすのであります。

 それでもさぁ、なんていうかなぁ、つまりふだんはそれほどチェックなどはやはりしないもんでね、けっきょく必要に思うのは出かけるときなのですよ。でもってそんなときは必ず背中に気配を感じて、そんでもって振り向くと、やはりそこには家人がいるのですね。立っているのですね。不気味ですね。

 いつのまに忍び寄るのでしょうかね。くのいち(女忍者のこと)でもあれほどの技術を持ち合わせているものは少ないでしょう。どこで修行したのか今度聞いてみることにします。

 ともかくイロイロなことが面倒なので、家庭は平穏が一番なので、ぼくはさいきんそこいらのチェックさえ、もうずいぶんと長いあいだやめにしています。であるのできっといまのぼくは

 1 鼻毛は伸び放題。
 2 額はだいぶ上がっているらしくテカテカしている。
 3 肌はワサビがおろせるくらいサメサメしている。
 4 下っ腹の出っ張りでオチンチンが見えない。
 5 目は赤黄色で吸血鬼の親戚が喜びそうになっている。
 6 人相は最悪で政治家のようになっている。


 「ちょっと鏡、見なさいよ!」なーんて言われたって、ぼくは金輪際見ないことにしてるんだからね。

 そこいらはキチンと守っているんだかんね。ふう。

 もう遅いんだかんね。

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