怠惰おじさんの反省

 
 すれでもすこしばかり考えた結果、この師走からは、無理やりね、真剣にね、その後悔をすることにしたのです。何のことかって。いえね、ぼくもそれなりに、この1年を意味のある一年にしたかったんです。年の初めにですけどね。年初はさぁ、だれでもそうだよね。きっとそうにちがいありません。

 でもね、やはり毎年のことだけど、それほど思いどおりにはいきませんでした。だからってそんなに悲観はしていませんよ。ただね、ただちょいとばかし気になることがこの数年つづいているんでね。

 じつは40代までは、ぼくはかなり目標を気にしていたのです。もちろん100%達成なんてことは絶対なく、いいとこ半分もできればバンザーイ、てなかんじだったんだけどね。

 それでもね、その年末の結果状況に関しては、目標との乖離やあるいはなぜ結果が不十分であったのか等々「そこんとこはキチンと整理分析してリポート7枚にまとめなさい」などと、かなり深く反省したもんです。

 それがさ、昨今はね、あんまし深く考えないの。じつにあっけらかんとしてね。だからってね、その目標がとんでもなく高いところに置いてある・・・なんてことはぜんぜんなくてね。かえって以前よりやさしくおとなしくアマアマな目標が続いているのにね。

 でね、そこでね、ぼくはキチンとした大人を目指してもう20年にもなるのでありますから。ここいらでキチンと、本来なら成果をださなければイケナイ身なのです。

 だからして年末には、その目標達成度に関してはやはり詳細な分析と考察を成し、そのうえでなんとリポート12枚ぐらいにまとめなければいけないのであります。

 ということが本来なのに、このだらしないおじさんは、ここんところ毎日、テレビの年末特番をみながらウキャウキャと笑って貴重な夕食後の2時間をスゴシテイルノデス。けっこう面白いのです。このままずっと面白いテレビを毎日2時間見続けたいなんて思ったりしてしまうのです。

 イカイカン。そんな怠惰な生活をしてはいけないと。もう一人のおじさんはわかっているのです。しかし怠惰おじさんが最近強いのです。キチンおじさんはどうにも形勢が悪く、これはきっと、カミさんに指示されえて、一階和室の神棚を壊したからだと思うのです。

 そうか、そうか、それならばまたあの神棚を復活させればいいのではないか。なんとも簡単なことだ。そうすれば、ひょっとしてこの怠惰おじさんが姿を消し、きらめく星のように清く明るいキチンおじさんがよみがえるかもしれないのだ。明日やることにしよう。テレビを見た後に・・・