タヌキが捕まったぞ 2
それは昼ちょっと前のことです。ぼくの住む、東京池袋から準急で約30分のこの街近辺は、それこそ一気に空が真っ黒になりましたね。
それはまるで地球防衛軍が、あの憎らしい地底怪獣モゲラとの戦いで、大量の砲弾を撃ったために空が真っ黒になったときと同様の空でした・・・
とにかく地球防衛軍がどんな戦いをしたかは別途違う機会に説明するとして、お空真っ黒状態は徐々にその凶暴な精神を現あらわし、なんといきなりヒョウまで降らしたのであります。
これはきっと、なにか深い理由があって、そんでもってそのとんでもない理由に耐え切れず、かわいそうにお空の神様が泣いたのでしょう。そうにチガイナイノデス。絶対に寒冷前線と低気圧の複雑な相互影響にてヒョウが降ったのではないのです。
そのにっくきヒョウは、ちょうど散歩に出ていたぼくと飼い犬のケンタクンを襲い、優しくて、か弱くて、幼子のような純粋な精神の持ち主であるぼくらは、まるでなにも抵抗できす、ただただ悪魔のヒョウに打たれるまま呆然と空を見あげていました。
幸いにも幼い幼児のごとく、か弱く、純粋な精神を持つぼくとケンタクンが流す涙は、ヒョウとともに降り注ぐ雨で覆われ、かろうじてキチンとした大人の体裁を保つことができたのであります。
トボトボと濡れねずみ状態のぼくとケンタクンは早めの帰路につくわけですが、少し考えると来年の干支はネズミで、そんでもっていまのぼくらも濡れてるとはいえネズミで、だからひょっとしてこれはめでたいのではないかと、幸先が良いのではないかと、純粋で幼子で精神でひ弱い頭のぼくらは、いきなりヒマワリのような笑顔を浮かべたのですね。
すると、なんとなんとなんとなんと南都雄二・ミヤコ蝶々。えーと左記のジョークがわからない若者は、グーグルあたりで調べてください。とにかく遠くのお空がイキナり明るくなり、聖母マリアは現れませんでしたが、お天道様の陽光が手を差し伸べてきました。
ウーム、ちょっと脱線しますが、ここいらの表現はね、ぼくの文学的な限りない才能がほとばしっているのでね、であるからして抑えても抑えても抑えきれないのでありますね。しょうがないのでありますね。
さてイットキが過ぎ、すっかり平穏を取り戻した空には、季節はずれの虹が輝いています。少しいつもより幅の太い虹が、北東の空にアーチをかけていました。ぼくとケンタクンは、イロイロあったけど、この年もそれほど悪い年ではなかったんではないかと、急に虹を見て思ったのです。単純なのです。
世の中考えかた次第、気の持ち方次第、精神の健康状態しだいで、良くも悪くもなるように思えてきたのです。ぼくらにも、みなさんらにも、来年はきっとよい年がやってきます。
たぶんよい年はいつでもそこにいるのですね。ぼくらはただそれを見落としたり、蹴落としたり、わざとそっぽを向くように気持ちを持っていってしまっているのでしょう。だからだから、くどいけど、良い年はいつもそこにいてぼくらを待っているということを忘れないように。
えぇ、タヌキはどうなったかって。テーマがおかしいのではないかって。いいんですよ。人生なんてね、化かされている方がうんと楽なんですから。
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