雪は・・・やはり冷たい
東京は雪です。
ぼくの住む街は東京に挟まれています。北と南そして西も東京。そんな中途半端な街も、やはり朝から雪でしたよ。雪は街を選びませんからね。
世の中の出来事は、たいていは場所を、人を、目的を選びます。ぼくの日常もね。
なんて言ってね、ほんとうはね、かなりいいかげんい生きているのです。
キチンとした大人は、ある程度目標を持つべきなんでしょう。いえね、ぼくだってちっとは持っているのですよ、もっているのですがね。でもやはり中途半端です。ぼくはそれを、住む街のせいにしたくなりました。笑っちゃいますね。
どうしょうもない現実が、社会が、環境が・・・ぐるぐるとぼくを取り囲んでいます。雪は冷たいです。すこしばかりいまのぼくには冷たいのです。
いろんなことにオサラバしたくなるときがあります。もちろんそれは生きることを前提としますよ。いままでぼくは、節々でそれを実践してきました。きれいにオサラバできることもありましたが、それはいつもシコリを残します。
オサラバすることでいやなものから、ある意味逃げてきました。でね、いつもぼくはそれを、リセットされる側のせいにしてきました。そうすることで理由をつけたのです。自分を納得させたのです。
少しずるいのです。少しではないですね、だいぶずるいのです。ただね、それでぼくをなんとか納得させてきました。そうすることで精神の均衡を保ってきました。それは人並み以上にぼくには必要な作業なのです。
いまそんなことに嫌気がさしてきたことを、ぼくは強く自覚し始めています。たぶん人生の一つの分岐が訪れているのです。いえ、ある意味もう一歩踏み出してしまったようです。想像以上にキツイ現実が目の前にあります。
すこし音楽を聴きながら感傷的になっているのかもしれません。でも喜びよりもね、その何倍も悲しみのほうが積もりやすいのです。通り過ぎる悲しみは少なくないよね。それはやはり積もるばかりです。
ぼくの気配を、誰よりも気にかけてくれる相棒が、雪を蹴散らしてくれました。蹴散らして蹴散らして蹴散らして唸っています。
ぼくもこいつも、ほんとは雪は大好きなんです。