破り捨てて

  


 ぼくにとってけっこう大事だった・・・そう、もう少し正確に言うと、いままで大事と思っていたといえる手紙類を捨てました。

 なにか特別なことがあったということでもないのです。いえたしかに、傍から見るとね、ぼくの周りで起きているモロモロは。それはそれでけっこう衝撃的なことなのです。

 けど、なんともキョトンとしてしまうほどそれは、とんでもなく抵抗感がなかったね。ぼくはビリビリと破り捨てましたよ。

 ゴミ箱に捨てたそれらは、もし、この数ヶ月に、いまぼくの身の回りで起こっているザワザワしたアレコレがなければ、きっと、やはり大事にしまっておくべきものだったのでしょう。

 あのね、はっきりわかったのです。ぼくの生き方や考えかたをね、たとえばいまかかわっている人々には、そのほんとうの部分を理解されることが、この先絶対にないことをね。そのことを確信しています。

 だからぼくは破り捨てました。いままでの半生に感謝しながらね。



 感謝


 おねがいがあります

 どう生きるかなんて指図しないでください

 おねがいだから寂しさを演じないでください

 おねがいです、ぼくを覚醒させないでください

 ぼくは夢の中だけで生きていたかったのです

 ぼくの半生に感謝、そしてぼくの存在にも感謝します

 夢を、きれいな夢だけを胸にしまいこみました

 それを反芻してぼくは生きていきます

 ありがとう

             深津 勝