中途半端

 なんとも身勝手だけど、ぼくは中途半端な桜があまり好きではないのです。

 ぼくの言う中途半端というのはね、桜が一年分の化粧をして、精いっぱい着飾って、それでどうだとばかりに集まる人々にお披露目をした後の、ちょっと悲しい姿です。

 もう少し詳しく言うとね、まず花びらが散っていくでしょ、それからそのあとに茶っぽい小さな葉がでてくるでしょ、その状態です。それがね、ぼくにとってはあんまり美しくないんだな。

 だからね、やはりうんと身勝手だけど、はやいとこ中途半端な花なんぞバーンと全部散ってね、一足飛びに青々とした見事な葉っぱで木をドーンと包んでほしいんです。そう思ってしまうんです。
 



 恋におちて



 いつも思っている

 だから対象をどうみようと、ぼくは恋をしている

 1年365日、ぼくは恋をしている

 だから毎日いっしょに歩く

 あと何年歩けるのだろうか

           深津 勝