いつか夢
昔からの憧れがあります。田舎に住むことです。それはたぶんぼくが都会にしか住んだことがないからです。何も気取ってもの言ってるわけではではありませんよ。純粋に、ほんとに、無条件な憧れなのです。
もっともね、ぼくが小さいころの東京は、いまの地方都市より田舎だったかもしれません。そう街の風景がね。
もちろん都市の体裁は、東京にはやはりそのころからありましたよ。ただ街の風景や匂いが、もっと純粋だったのです。
先日goo(ポータルサイト)で、昭和38年の東京を、空から2時間近く眺めていました。航空写真地図をね。今でも見ることができますよ。スクロールしてアッチコッチ飛び回れます。楽しいよ。
ぼくはスーパーマンになった気分で、自分の育った家、通った小中学校、毎週のように野球をやった飛鳥山公園、よく遊んだ西武デパートの屋上などを、じっくりと空から眺めて楽しんだのです。
あのね、当時の西武デパートには屋上にヘリポートがあったのです。ヘリコプターが飛んだり跳ねたりしていたのです・・・跳ねたりはしないな。飛んだり降りたりしていました。
でね、けっこうアッチコッチでこの話をするんだけど、だーれも信じてくれなくてね。途方にくれていました。でもね、ちゃんとヘリポートがありましたよ。ドウダッ!てなもんだね。
このころの東京は美しいと感じたな。家は平屋か2階建でさ、高い建物なんぞいくらスクロールしたって、それこそ新宿だの池袋だの大きな駅のそばにしかありませんよ。エライね。いまの東京はウンコみたいだ。
山手線
茶色の電車はどこへ
みつけた茶色はお堀の淵を走っていた
そん次は茶色のヤツ、多摩川の土手を走っていた
しばらく茶色のウワサは聞けなかったな
東京がコンクリートで踏み固められたころ
誰かが高崎のほうで見かけたと言っていた
茶色の山手線は、油で光った木の床が自慢だったね
木でできていたんだよ
深津 勝