四十雀

          


 梅の木に四十雀のツガイがやってきます。そーっとうかがっていると、なにやら木を突いている様子。何か食べるものがあるのだろうか?あとで見てみようか、なーんて思うのだけど。たぶん後ではこのことを忘れているだろうから、けっきょく確認作業はできないだろうな。まぁ、いいや。


 あのね、四十雀はね、ちょっとばかしむかしの話だけど、けっこう思い入れがある鳥なのです。じつはこの住まいに引っ越してきたばかりのころのことだけど、隣地との境となるブロック塀のね、そのブロックの穴の中に巣を作ったのです。


 引越し荷物もおおかた片付いたころ、そんなころから感じ始めました。なにやらちょくちょく小さな鳥を見かけるなぁとね。でもってあるとき、ちょうど外を見ていたときだけど、なんと大発見をしたのです。小鳥がブロックの穴の中に入っていったのです。


 こいつはけっこう驚きでしたね。えーとですね、ぼくは何を隠そうこういった自然アンド動物アンド未確認物体関係にはけっこう強いのです。だからピーンときましたね。巣があるなって。


 そこからが観察の始まりでした。けっきょくそれらはね、なんと雛が巣立つまで続きましたよ。結局4羽の小鳥が巣立っていきました。節目節目にとったビデオは貴重でね。なんんとも我が家・・・ちがうなぼくの宝物の一つとなっています。可愛いんだなこれが。


 だからね、それから先ぼくは、我が家に来る四十雀は絶対に連中の子孫だと思うことにしているのです。いや思うだけではないな、絶対そうに違いないのです。だからね連中が来るとただそれだけでうれしいのです。


   破壊

   パタパタパタパタと飛び立った

   まるで小さな小魚のようだな

   あっちの塀に止まりここっちの電線ですべる

   パタパタよもっと高いところへ

   パタパタよもっと林へ

   うまく飛べないパタパタ見つめる猫をさけてさ

               深津 勝