独りで

             


 失敗をしたな。そう思いました。


じつはあることでね、ぼくはある人たちにたいして、ぼくへの電話による連絡手段を断わったのです。絶対しないでくれってね。


どうしても電話だと、ぼくみたいに精神の奥底がとんでもなく優しいと・・・とにかく優しいとね、そこそこ妥協してしまうことがあるからです。ダラシナイのです。


なもんだからしょっちゅう便りがやってきます。ハガキあり封書あり、なもんで一気に郵便箱が忙しくなりましたよ。日に2回も郵便配達人がやってくる、佐川がやってくる、クロネコがやってくると大騒ぎです。


そうそう留守用の貨物入れを作ろうかと、いま真剣に考えてます。これは封書だのハガキだのと関係ないけどね。


あのぼくは仕事柄、けっこう荷を受け取ることが多いのです。でもってカミさんも仕事をしているのでね、だからたいていの昼間(午前中)は、獰猛犬の噛み付きケンタクンがいるだけなのです。


 さてと、話を戻すとね、そのハガキ・封書・メール便攻撃がね、これがねぇ、けっこうきついんだな。声の伝達であればさ、矛盾してるけど、やはりまだ顔をうかがうことができるのからね。


でも思いを言葉に置き換えることは、昔から言われてることだけど難しいんだね。どうしても思いだけが飛び出てしまう。思いだけが言葉になっちゃう。だからキツイ。


毎日の、複数の人々からの封書に囲まれながら、なんだかとても一人ぼっちになります。




孤独


知ってるかなぁ ほんとの痛みを


味わったことがある? ほんとの痛みを


ないのかぁ しょうがねぇなぁ


そんじゃあ、まだ半人前だ


あのね ほんものはね 声になんかでやしない


なみだなんかとんでもなく贅沢なんだ


でね そいつらは固まってやってくる


覚悟したほうがいいよ
 
           深津 勝