大いなる力 2

 
   

前回の繰り返しになるけど、なんだか世間がフッと明るくなる瞬間って、たぶんみなさんも一度ぐらいは経験があるのではないでしょうか。

たとえば受験から開放されたとき、おおきなプロジェクトを成し遂げたとき、家のローンが終わったとき、懸案事項が解決されたとき、3日目の便通・・・

とにかく一度ぐらいはあるはずです。そんなときね、たぶんみんなはぼくとおなじように、きっと天を仰いだことでしょう。えっ?仰いでない・・・まぁ、そういう人もいるでしょうね。否定はしません。でも大方の諸事解決人は、やはり天を仰いだにちがいないのです。

でね、そんなときの天には、空の彼方には、存在する何か大きな力があるとぼくは信じています。そう思いませんか。あの突然だけど、空には敵がいませんよね。空には文句を言う人はいても闘いを挑む人はいませんよね。空は偉大なのです。空は絶対です。空バンザイ。おお空よ!

またまたちょっとばかし精神が動揺しているようです。ぼくは空の彼方のことを考えると、ときどき高揚した気分になります。友達(たいへん少ないのですが数人います・・・いや一人二人います・・・一人かもしれない・・・ぼくがそう思っているだけかもしれない)に言わせると、たいていのぼくは高揚しているようです。ハハハ。

そこでちょっと思いつきがあります。あのね、ひょっとしたら人生の中でも数回しかない「仰ぎ見る」機会をですよ、逆にね、こっちから天に向かって「ぜひなんとも来ていただきたい」と、積極的にお願いするなんていうのはいかがでしょう。

たいへん僭越(センエツ)ですが、天の偉大な何かに、こちらからコンタクトしちまおうってんです。どうですか。そうしていろんな解決ごとですよ、こっちからお願いしてやっつけてもらうんです。

えっ、怒られるからやめたほうがいい。ウーム、そうかもしれませんね。恐れ多いかもしれないな。でもぼくはいままでの人生を、ほとんど恐れ多いことばっかしやって過ごしてきたので平気なのです。だからこれからちょくちょく、散歩の途中などに空を仰ぎ見ます。お願いします。

ひまわり通り(家の近所)の公園あたりで、あるいは野火止用水の遊歩道で、はたまたミニストップの駐車場でね、犬を連れた散歩人が空を眺めてブツブツ言っていても、けっして石を投げたりしないでくださいね。あの声をかけてもらうのはけっこうです。ですが・・・ゴメンナサイぼくはたいへん偏屈なので返事をしないことが多いです。



空の彼方

すこし安心して空をみあげた
空のなにかにアリガトウと言う
空は笑っていた
ずっと見つめていると何かがでてきそうだな
さかさまにして飛び込んでみたい
吸い込まれてみたい
もう一度アリガトウと言った
 
           深津 勝